「原発メーカー訴訟」の会結成までの経緯

1. 核(発電・兵器)廃絶のために、世界の市民との連携が必要
2012年、そして今もそうですが、国内の原発再稼動に反対する活動は盛んです。しかし、すでに原発メーカー各社は、ベトナム、ヨルダン、トルコ、フィンランド(当時)その他への原発輸出に取り組んでいました。国内の原発の廃炉を求めることは当然ですが、同時に「福島を破壊し、太平洋を汚し、今もメルトダウンを続けているような危険物を、輸出することが見逃されて良いのか?」という当然の疑問を私たちは持ちました。何回かの議論を踏まえ、私たちが得た結論は

・核は人類/生物と共存できないものであり、その核を生み出した人間、とりわけ現世代の人間が、その責任において廃絶しなければならない。
・原発事故/未解決の原発の放射性廃棄物(死の灰)処理問題の影響は全地球的、かつ半永久的であり、一国だけで解決できる問題ではない。
・原子力(核)発電と核兵器の技術/原材料は同一であり、いわばコインの裏表である。核廃絶とは核兵器と核発電の廃絶を意味する。
・核兵器保有国主導の核拡散防止(NPT)体制は軍事転用禁止、核査察受け入れ等(原子力協定)の受諾を条件に非核保有国に原発輸出をビジネスとして推進しているが、NPT体制に入らない国々の核疑惑も生じ、各国の利害対立が激しく、国家間での合意による核廃絶を期待することはできない。
・この核廃絶を達成するためには、遠回りのようだが、既にこの事実に気がついている世界の市民と連携をし、その理解者を増やして各国市民レベルからその政府に核廃絶を迫り、それを達成するしか道はない。

こうした問題意識から、それを実現するための具体的な一歩を検討しました。

2. No Nukes Asia Actions(略称NNAA)の結成(2012年11月)
-なぜ原発メーカーは責任を問われないのか?-
私たちはモンゴル(核燃料廃棄場の建設が問題になっている)、台湾(第四原発が「日の丸原発」と呼ばれ、国民投票が予定されている)、韓国(日本と同様、原発輸出に取り組んでいる)、北米、ドイツ、その他諸国の反原発市民有志と連帯し、国際的なネットワークであるNo Nukes Asia Actionsを立ち上げました。
2012年11月、東京の信濃町教会にて、これら諸国からの方々も参加する中、結成記者会見を開きました。
このとき既に、本「原発メーカー訴訟」の弁護団長である島 昭宏(しま あきひろ)弁護士による、日本の「原子力損害賠償法(通称:原倍法)」に関する講演をいただきました。

その問題点とは

①同法が損害賠償責任を事業者(電力会社)に一極集中させているが同法は今回の福島事故のような大事故を想定しておらず、結果的に補償を遅延させ、かつ税金投入など不当な国民負担を増大させている。

②一極集中により、事業者以外の、特に原発メーカーは本来、製造者責任法によって負うべき補償負担を免れ、かつ市民からの非難、告発から逃れている。
③その上、それを良いことに日本での原発ビジネスダウンを見越して海外輸出に血眼になっている。④福島事故の真の原因が不明確のまま、このような海外原発輸出を進めることはいわば「福島事故の輸出」につながりかねない。
⑤しかるに日本および原発輸出関連企業は更に原発輸出国に対して「原子力協定」の一部として日本と同様に事故の賠償責任をその国の電力会社に一極集中させるその国の「原倍法」成立を要求して、事故発生時のメーカー責任を免れようとしている。この状況にいかなる正義も存在しない。

3.「原発メーカー訴訟」の会(原告団)の結成(2013年9月)
日本の日立、東芝、およびGE、が過去の経緯により、世界的な原発メーカーとなっている現在、この福島事故を起点として、原発メーカーの責任を問うための訴訟を起こすことが妥当と判断し、NNAAが中心となって原告参加者を募り、また弁護団を結成し、実体面そして法理論の両面での準備を進めて「原発メーカー訴訟の会}を立ち上げ、2013年9月2日に設立総会を開催し、規約を制定し、役員の選出を行なった。

以上