インドネシア編

前回、インドネシアでNo Nukes Asia Forumが開かれたそうですが、今回は釜山のWCC(世界教会協議会)総会で出会った人たちの紹介で台湾、フィリピン、インドネシアでの集会が可能になりました。しかしインドネシアの場合、佐伯奈津子さん(インドネシア民主化支援ネットワーク  Network for Indonesian Democracy, Japan (NINDJA))のご協力がなければとても実現しませんでした。私の依頼に応えてわずか1週間で、インドネシアの各地の活動家との話し合い、地域住民との対話の場が実現されました。ここに改めて佐伯さんに感謝申し上げます。

ムリア原発建設予定地ジュパラ県バロン村での集会
インドネシアにも30年前くらいに何度かおとづれたのですが、非常に変わっていました。ジャカルタ市内だけでなく、飛行機で2時間くらいの村に行き、そこで50名くらいの全国の活動家が集まり、1泊2日の話し合いの場をもったのですが、その村も学校が多く、教育が行き届いている印象でした。宿泊施設は回教徒のリーダーでこの春に国会議員に立候補するという地方の名士です。

写真はムリア原発建設予定地ジュパラ県バロン村にて撮ったものです。ここで原発建設を阻止した経験を全国、14箇所の原発建設候補地での戦いにつなげていこうと強い意志を感じました。

実は2年前の東京でのAsia Forumのお会いしている方でした。その時の様子をブログで紹介しています。
インドネシアの代表はイスラムの指導者でもあり、まさに地元住民と一緒になって考え、行動を共にしてきた人のようでした。原発に対する恐怖感を国民は持ち続け、政  治家の言うことはこれまでの経験からいくらいいことを言っても信じないそうです。 大きいプロジェクトには大金が動き、政治家は賄賂、汚職でいい目をするのだろうと見ぬいています。彼ら指導者のすごいところは、原発の反対運動と並行して生活そのものを見直すことをやろうとしていることです。ウラマーというイスラムの指導者たちは、原発を「ハラム」(イスラム教で禁止されたもの)と採決したというのです。原発のプラスもあるが、マイナスもあり、総じてマイナスの方が多い、「益」より「正義」を優先させ住民の生活に立脚した立場に立ちきろうとしているということでしょう。ヌルディアン・アミンさんは、イスラム教の指導者であっても、カトリック、仏  教界の人たちとも手を組み、一緒になって歩もうとするすごいオーガナーザだと感じました。

インドネシアの全国の活動家の会議が実現
この人物は元原子力庁のメンバーで反核的な立場であるということから解雇されたIwanさんです。肺がんであることを告白していました。
博士は筑波大学で原子物理学の学位を取り、現在は大学の講師ですが、FoEやグリーンピース、イスラムの指導者への講義を原子力のKIAI(指導者)です。

インドネシアの高木仁三郎のような方です。彼の講演でインドネシアでもメーカーの責任を問わず、メーカーを保護する法があることが確認されました。1997年の原子力法改訂によって、以下の事項が新たに規定されたそうです。原子力 施設の事故による損害が生じた場合、プラントの運転者または所有者に対して最 高9000億ルピア(当時の換算ルートで約450億円)の損害賠償責任を課すことと謳われています。
この学習会には50名ほどが参加したのですが、5名の軍服を着た軍人、警察も「参加」しました。外国人で観光ビザで入国したにもかかわらず集会に参加したということなのでしょう。話を聞きたいということでしたが、結局、私たちのパスポートをコピーするだけでおわりました。

次回、インドネシアでNo Nukes Asia Forumを開催するときには
観光ビザでなく、正式の会議ということで申請をする必要がありそうです。

インドネシアのエネルギー委員会は代表が大統領で、エネルギー大臣も加わっています。今のところ、「原発は最後の手段」とエネルギー政策に記されているのですが、その「最後の」という文言を削除しようという動きが出てきているそうです。

2015年には商業用ではない実験用の原発建設が進められているとのことでした。原子力庁が広報活動をしてもよいとは原子力基本法には書かれてないにもかかわらず、彼らは大々的に原発のメリットを宣伝していることに対してIwanさんは、法律違反を強調していました。国家原子力庁は非商業用の原子力に限定すべきであり、商業用の原発建設は法的根拠がないということでした。

Iwan氏は肺がん治療のために肉食を一切せず、アメリカの抗がん剤を飲みまながら放射線治療も受けないそうですが、この数ヶ月で、ガンが小さくなって生きていると写真を見せてくれました。氏のますますの活躍を祈ってやみません。

この集会における議事進行も対変、民主的で、参加者の意見をしっかりと聞くという態度で一貫していました。このような人たちとの交流はますます必要になるでしょう。
今回の原発メーカー訴訟は、全世界において原発メーカーを保護するという同じ趣旨の法をもっていることを明らかにします。このことを知ることは、各国での反原発の運動の質をさらに深めることになるでしょう。

最後に
私がアピールした原発メーカー訴訟に原告になる件では一部のクリスチャンの反対がありましたが、圧倒的多数の賛成を得ました。彼らの話では1万人くらいといことでした。ある地域の重鎮と思われる人は、自分ひとりで1000人集めると言ってました!

日本は再稼働反対で天然ガスを使用することは当然と思っているようですが、実はその天然ガスを大量に日本に輸出するインドネシアは電気が不足しており、それを口実に原発建設の宣伝し日本、韓国が手を挙げています。しかしインドネシアは日本に天然ガスを輸出せず、自分で使えば電気不足も解消されると現地で聞きました。日本国内だけのことを見ていたのでは世界の実態は見えませんね。